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攻めは飛車角銀桂守りは金銀三枚

ITとアコースティックギター、そして日常のひとこま。

今日できることを明日にのばすな!!

よもや話
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「和也、急げ間に合わないぞ。」昼食のアンパンを食べている和也に向かって達也は声をかけた。

「今行く」と応えながら和也は残りのパンを口に押し込みプレゼン資料の保存されたパソコンをカバンに入れ会社を出た。


駅に向かう途中で和也は「ん?ちょっとお腹痛い、ま、大丈夫だ。1つ先の駅で乗り換えだからそこでトイレ行くわ。」と達也に告げる。

達也は「乗る前に行けば?」と言ったが和也は「大丈夫。次の駅で乗り継ぎの時間が少しあるからそこでするわ」と笑顔で答えた。

2人は目的地に向かう電車の乗り込んだ。達也が「今日のプレゼンは勝負だ、大丈夫か和也?」と尋ねると「任せとけ。今日のためにどれだけの期間準備してきたと思ってるんだ。完璧にこなしてやる」と自信満々に答えた。

プシューと音をたて電車はドアが閉まり、電車が動き出す。

「次は京都、京都」と車掌のアナウンスが始まった瞬間、キィィィーと電車が急ブレーキで止まった。

つり革を持って立っていた達也と和也は倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。

「なんじゃ?」と和也。

車掌がマイクで「ただ今前方を走る列車で非常ベルのボタンが押され、付近を走る列車に緊急停止する信号が発信されました。そのためこの電車も緊急停止いたしました。」と現状を伝える。

「まずいな、プレゼンに遅れる訳には行かない。少しは余裕を持って出たけれども間に合う時間に電車が動けばいいが・・・。」と達也は思った。

「まずいな、腹いてぇ~間に合う時間に電車が動けばいいが・・・」と和也は思った。

しかし2人の期待を裏切り電車はなかなか動かない。

「まずいな・・・」ふたりは思った。

「達也、なんか面白い話題ないか?」と和也は達也に尋ねた。

「なぜ?」「いや、腹が痛い。気を紛らわせないとやばい。」和也は少し青ざめながら答えた。

そんなことを言っても急には面白い話題は出てこなかった。

3分・・・5分・・・10分と時間は過ぎていく。

時間が過ぎるほどに和也の貧乏ゆすりがひどくなる。

達也もプレゼンの時間と和也の現状が心配になる。

「は、早く動いてくれ~」と2人は心から願った。

その時だった「お待たせしました。前の列車が運転を再開しましたのでこの列車も信号が変わり次第発車します。」とのアナウンス。

2人はお互いの顔を見ながら「ほっと」した。

ウィーンという音と共に電車が動き出した瞬間、和也の貧乏ゆすりが止まり「あぁぁぁぁぁ」と声にならない叫びをあげた・・・。

「ま、まさか!!」達也は声を上げそうになったが何とか持ちこたえ和也を見た。

和也はもう貧乏ゆすりをしていない。いや息もしていないように見えた。

やがて電車は次の駅に15分遅れで到着し2人はそこで降りた。

「大丈夫か和也?」

「達也、悪いが俺は行けなくなった・・・すまないがプレゼンは頼む。俺の分まで頑張ってくれ」と消えそうな声で答えた。

そう告げてその場を立ち去る和也に向かって達也は大きな声で伝えた。

Never put off till tomorrow what you can do today!!
(今日できることを明日にのばすな!! )

和也は振り向くことなく右手の拳を天に向かって高く突きあげダークサイドへ堕ちて行った。

まとめ

物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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